石川県のこだわりの地酒萬歳楽
江戸享保年間に創業した小堀酒造店は、明治中期に『萬歳楽』というブランドを始めました。その歴史ある萬歳楽を銀炉と五鉄でお愉しみいただけます。
極上の水を原料に霊峰白山の水を用い、「森の吟醸蔵 白山」の最新設備と蔵人の熱意、能登杜氏が受け継いだ技で醸します。
本店と二つの蔵
江戸時代の商家の家を残した正門付近は築後約240年を経ており、現在は正門脇のスペースで蔵ショップ「萬歳楽 本店」が営業を行っています。松で作られた「梁(はり)」からは、今でもヤニが染み出すこともあり、木材建築の寿命の長さが感じられます。ぜひお立ち寄りください。「森の吟醸蔵 白山」は石川県白山市河内地区で手取川をのぞむ場所で2001年秋に竣工しました。建設のため伐採した杉の樹木はすべてこの建物の建材として活用し、長期間利用できる木造建築としました。21世紀の手造り蔵を確立し本物の酒造りを今後も続けてゆかねばならない、静かで水と自然に恵まれた醸造所で良い酒を造りたい、との思いで作った酒蔵です。最新の醸造設備が、職人の心と手が行き届く質の高い酒造りを支えています。2001年9月11日竣工、翌年に2002年度のグッドデザイン賞を受賞しました。
こだわりの日本酒ができるまでの工程をご紹介
【精米・洗米】精米した後の洗米は、霊峰白山の水を用い、米の表面に残っている糠を取り除き、浸漬も兼ねた作業です。いかにきれいに糠を落とすことが重要です。
【浸漬】洗った米は、水に浸します。浸漬具合を見ながら時間を測ります。きれいな霊峰白山の水を含んだお米は真っ白できれいです。浸漬はその時々によって変化する、気の抜けない作業なのです。【麹造り】工程は、引き込み・種切り・切り返し…と、10工程以上に及びます。麹はカビの一種である黄麹菌(きこうじきん)を蒸米の表面から中心部分へと繁殖させたもので、デンプン分解酵素、タンパク分解酵素、脂肪分解酵素など、様々な酵素の供給源として用いますが、特に重要なのはデンプン分解酵素であるアミラーゼで、米のデンプンを分解しブドウ糖に変える働きを持ちます。そのブドウ糖を清酒酵母が利用してアルコール発酵を行います。また、麹菌が生育する過程で様々な成分を麹内に蓄えます。これらの成分は醪(もろみ)中に溶け出して、清酒酵母の栄養源となるだけでなく、お酒の旨味成分として酒質に大きな影響を与えます。
【酛(もと)造り】酒造りにおいて、健全かつ順調にアルコール発酵を行わせるためには、無数の純粋な清酒酵母と、酒造りの初期に雑菌の繁殖を抑えることのできる多量の乳酸が必要です。その目的のために酒母(しゅぼ:酛ともいう)が造られます。先ほど造った麹、仕込み水、蒸米を混ぜて、酵母を加え培養したものです。
【醪(もろみ)】麹の持つ様々な酵素と純粋に育てられた清酒酵母が活躍するのが、酒造りの中心になる醪の工程です。醪の中では、酵素の力で蒸米のデンプンがブドウ糖に分解されるだけでなく、各種アミノ酸、ペプチド、有機酸などが生成されます。そして清酒酵母はアルコール発酵を中心に様々な香味成分を造り出していきます。
そして火入れなどの作業を終え、寝かせた後に極上の米を原料に霊峰白山の水を用いた最高の新酒ができあがります。技・熱意・設備どれか一つが抜けてしまえばこのこだわりのお酒は完成できません。まさに極上のお酒です。